●2013年09月28日(土)
新作展・淡灰より 『ルーマニアガーデン』と名付けられた帯。 帯全体に大きく星形にとられた文様が印象的な帯です。ルーマニアと言えば、東ヨーロッパ。南西にセルビア、北西にハンガリー、北にウクライナ、北東にモルドバ、南にブルガリアと多数の国と国境を接し、東は黒海に面しています。 中央アジアから西にいくと、私もその国の位置や歴史が曖昧で、その国の文化がどのようなものなのかも、なかなか思い起こせません。この国は宗教的には東方教会系の「ルーマニア正教会」が多数派らしいですので、そういう影響がこの裂にも顕われているのでしょう。 着物は経緯(タテヨコ)真綿紬糸を万筋に織ったものです。真綿糸の黒い節がいたるところにありますが、真綿の柔らかい風合いとシックな灰色に趣を添えてくれています。 均一な絹糸を経て糸に使うことが多い、最近の紬織りの着尺には無い味わいがありますね。 袷仕立ては勿論ですが、最近では紬織を単衣で着ようという方が増えています。織りの味わいを直に感じられるからです。そして最近の10月以降の気温のこともあります。単衣の着物を長く着たいという方はこれからどんどん増えていくでしょう。 ただ真綿系を単衣にすると裾のさばきが悪くなるので(木綿の着物と同じです)、航空絹布の総居敷当仕立て(一衣舎製)をお薦めしています。単衣と袷の両方の季節にお召しになって頂けます。航空絹布も表生地に合わせて別染めしますので、一見、八掛が付いているようにも見えます。裾のさばきもかなりよくなります。 帯締は平唐組の無地、帯揚は2色の暈かし(共に和小物さくら製 9/29(日)まで なか志まやにて
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