●2010年08月21日(土)
京友禅付け下げ
何年ぶりになるのだろうか。正確には分からないが、ほぼ10年ぶりにくらいに 附下着尺を仕入れした。正しい京友禅である。職人の技が光る。使い込んだ絵皿の文様のように出過ぎず、透明感ある地色に絵柄が馴染んでいる。 なか志まやでは、着物にも小物にも臙脂色は殆ど使わないのだが、柄には 挿し色で少し使われている。しかしこの臙脂色の枯れ具合が見事なのだ。 染めの行程が3手間ぐらい多いようで、とび柄の亀甲華文は取り立てて珍しい柄だと 言う事ではないが、全体の仕上がりがとても味わい深い。ほれぼれとする染めである。 染め礼装。 一昔前なら、こういう品物が呉服屋の主流であった。 着る機会がすくない着物として、こういう着物は今はあまり売れなくなったし、 いい礼装を染める事の出来る職先でも、今は本当に苦しい状況にある。 しかしこうした着物の良さも、いつまでもしっかりと残して行かなければ ならない処でもある。 帯は、職楽浅野の九寸名古屋帯を合わせております。 さらに引き算した、シンプルな装いを目指される方には 砂子箔の白無地袋帯(なか志まやオリジナル)をお勧めします。 着物の透明感をさらに増幅させた装いになります。
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