●2012年03月19日(月)
龍村美術織物 鶴岡間道袋帯 染太子間道に続いては織りのこの間道です。 これも名物裂(ぎれ)の一つで、鎌倉鶴岡八幡宮の神宝に用いられていたと伝えられているものです。『太子間道』を除いた間道の名物裂の最古のものと認められています。「間道」とは、経(たて)糸を染め分けて織った縞織物のことです。臙脂(えんじ)がかった赤を主張として茶、白、濃紺などによる間道です。 着物は、経緯(たてよこ)真綿紋織りの白生地に茜と白ロウで全面にニュアンスをつけた着尺です。焼き物の質感を目指したとも言えますし、どこにもない無地感覚表現を目指したとも言えます。つまりは、今までの着物の文脈にない、あたらしい着物です。染めは本来、美しく染めることを絶対条件としていますが、この全面ロウムラは その条件から外れ、生地の質感を最大限押し出して尚かつ美しくある染めを求めています。 名物裂の代表とも言える織りの間道に、新しい裂になるのではないかと思える全面ロウムラを取り合わせてみました。
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