●2011年01月27日(木)
変わらないもの もう10年くらい変わらないのは、グレートーンとアブストラクト。 この二つは、連動していることが多い。 それは、20代の多感な時期に、コンクリートのインテリアが台頭してきて、そこで様々な体験してきたからかもしれない。 和というか、日本人はかっこいい!とはじめて感じたのも、内田繁さんデザインのグレーと黒という無機質なBAR空間に生けられた和花を、毎日眺めていたことから始ったと思う。その時はまさか自分が呉服屋をやるとは、これっぽちもイメージしなかったけれど。 僕の洋服はいまだに全て黒で、1980年台コムデギャルソンが出て来ると同時にかなりインスパイアされたし、生地の光沢感やドレープ感はアルマーニの服地に影響されたと思う。そういう時代の男なのです。 今という時代はかなりその頃とは違う。あの頃は、これからなんでも出来る!という高揚感があったし、高度成長のあとの成熟していく過程にあったのだと思う。歴史的な流れから考えると、あとは停滞または衰退していくサイクルに日本が入り込んでいるなら、最後の侘び寂びでも醸し出そうか!などと考える年齢に自分は差し掛かっているし、このあたりでもっとほんわかした温もりのある仕事のスタイルにと、考えるかなと思いきや、中々変わらないものは変わらない。 硬質で透明感のあるもの、艶っぽもいもの、現代的なもの、永続的なもの、そういうものが色んなバランスでその都度混じり合って、今の自分の眼が動いている。 これはやはり言い方は少し変化するかもしれないが、変わらないものである。
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