●2010年01月11日(月)
男物の袴 博多平 袴を作る事が案外多いと思う。先日も186センチの男性に一式作ってみた。紐下2尺6寸だった・・・ このところ、米沢や京都の紬やお召の袴生地よりも、この『博多平』をお客様に勧める事が多い。単なる縞でなく献上柄を織り出した、張りと腰がある生地はなか志まやの好みだと思います。 袴の仕立てが一番上手いのは一衣舎の木村幸夫氏だと私は考えています。もしかしたら他にいるかもしれないが、自分にはこれほど心強い人はいない。数年前に大鼓の人間国宝、大倉正之助の八咫烏袴を縫って頂いた時もそう感じたし、アトリエで小錦の袴を作ってるのを過去に見た時もそう感じた。どこの仕立てよりも、袴が凛としているから僕は好きだ。ただ、ご本人は、袴は嫌だと仰るので、余程の事じゃない限り仕立ては頼めない。 でも、袴がもし男の普段着として気軽に着用されるようになれば、きっと先生もその技を弟子に伝える事になるのだろうか。それと186センチの方に袴を作ってみて、それも難しい体型だったので、採寸含め慎重なデーター収集が必要だと改めて思い知らされました。他の呉服屋さんてどうなんだろう〜聞けるなら聞いてみたい。 袴は、男にとって凄く楽な衣装だと僕は思っている。確かに大の用には困るであろうが、それ以外は困る事はまずない。そしてもっとラフな素材で、ばさばさ着るのはかっこいいと思う。風を切るように大股でざくざく歩く事も、軽く走ることもできる。大胆にあぐらをかいて座り、酒を飲んで酔いつぶれる事も出来る。 袴付きという着姿はまだまだ大仰なスタイルかもしれないけれど、着慣れてみるとそんなことはない。それこそ水洗いできるような天然素材で作るのも手だと思うし(この場合はビンテージジーンズのように崩れた形も良しとする)、そうすれば気楽に着れるのではと、いつも感じている。日本滞在中、着物を日常着とする外国人はどう思っているのだろうか?今度聞いてみます。 追記:博多平は普段には向きません。お茶か仕舞系などフォーマルです。
|