●2013年12月24日(火)
『無地 縞 格子に極まる』ミムマムな着物と帯の取り合わせ 斜め格子の西陣紋お召着尺に、本爪掻綴れ八寸帯をのせてみました。着物も帯も総て『淡い配色の格子と縞』になっていますが、帯の経糸に黒糸が隠されていて、その存在が妙な緊張感を醸し出しています。 最近は、綴の帯を、その硬さ故(また柄が良くなかった)に敬遠される方も多く、産地でも生産することが少なくなっているようですが、この爪掻き本綴は70歳後半の女性がその熟練した手技のもと、時間をかけゆっくりと手織りされたものです。 よい仕事がされた紬織りの着物は、着て行く度に『布が育つ』といいます。帯の世界ではどうでしょうか。 何度も締めていくにつれて、弱くなっていくものが多いように感じますが、この帯の硬さは締めていくに従って程よい硬さに育っていくはずです。そして、何度も締めて少し筋がつくようになれば、裏を返して使えるのも、綴れの帯の良いところです。 独立した当初から殆ど扱うことがなかった組織なのですが、ここ数年、織り上がる度に分けて頂いてるのがこの方の綴れ帯です。
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