●2012年11月13日(火)
『シンクロニシティな。。。着物と帯』 袋帯は地組織が羅織りされています。現代では夏の織物と考えがちですが、本来は重ね着する衣装において透ける事の優雅さを求めたもので、夏熱いからという織りの組織ではありません。緯糸には紬糸、モール糸、金糸などでざっくりとした横段を。見た目とは違い非常に軽い帯です。 着物と帯が同調し過ぎると、かえって野暮に見えがちなのですが、染めの技法(Foglia・トラ目染め)と織りの技法(西陣)が引き立て合わないか、、、と置いてみます。 同系色の濃淡で合わせることが今時代のセオリーのようになっていて、もしこのあと50年くらいして、この時代の着物と帯の取り合わせを見て何と思うでしょうか。ちょうど89〜90年代に大正ロマン風の着物を見直したように。 こうしたコーディネイトは作為無く単調になりがちですので、各々の布の力、染織技工の力が如実に現れて来ます。 ですので無地感覚のものを作ったり着こなす上で、より確かな技術とセンスを問われるのではと考えています。。
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