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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2011年11月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2011年11月23日(水)

なか志まや 新作展 より『この取り合わせを見て欲しいNO.1』

12月3日(土)〜11日(日) なか志まやにて

着物:変則的な網代(あじろ織り)に不規則に入る柞蚕糸が、布地を表情を持たせている。長野県松本市の光佳染織作紬着尺。

帯:李朝の陶器柄をアレンジした紬地の名古屋帯。仁平幸春作
帯地全面に白ロウを置き、まるで本物の陶器のような味わいを持たせてある。朴訥とした線が巧妙なタッチで染められた秀逸なデザイン。

『染め帯の柄の全体像』と『着物の織り』との響き合いが、震える程美しい。グレーを好むなか志まやが『僕が望む新しいトーンはこれだ!』と思える程。画像で上手くお伝え出来ないので部分的に。是非手に取ってみて頂きたい着物と帯です。

曖昧な表現ですが、なか志まやは透明感のある着物や帯を得意としてきました。簡単には光沢のある組織や色を使うことだったのですが、この取り合わせの単体自体は、むしろ、くすんでいる印象を受けます。しかし一度、着物と帯を合わせると、じんわりと光が浮かぶ感覚を覚えます。『どうよ!これ!』的な透明感とは違い、控えめでじんわりとその美しさが伝わって来る、着物と帯の取り合わせになっていると確信しています。

●2011年11月22日(火)

もうすぐ新作展なのですが、白生地を工房に持ち込んで仁平さんと話しているうちに、来年2〜3月頃発表出来そうな、なか志まや用の新しい帯展開を決める事も出来た!いや〜〜大仕事(3本ですけど;;)実験的に染めて貰う素材も渡したので、その結果を見て、新しい着尺もチャレンジしてみます。

それと、明日には、松本の光佳染織から、8月に頼んだ織りの着尺が到着します。暑い夏、新宿から八王子インター過ぎるまで2時間も掛かって、そのあと中央高速をぶっ飛ばしたなぁ〜。上質な柞蚕糸(着尺用)がまだ入荷しないとのことで、一番期待してる着尺の完成は未定ですが、綾織りでない、しずはた織りで作る熨斗目は、ちゃんとカジュアル熨斗目として出来上がるのかな。。。それは多分来年でしょう〜

光佳さん一番の特長は、初めて袖を通した時から、生地が体に沿う着心地のする織物。糸の撚り、打ち込みの加減に神経が行き届いた反物です。明日が楽しみです!

●2011年11月21日(月)

18年も前になか志まやで作って頂いた一式が、今日初めてお披露目となった。今の主要メーカーとは違う西陣お召(揚羽の縫い紋付き)に竹笛柄の袋帯。揚羽を裾と袖口、振りに染めた絵羽長襦袢。江戸組の帯締めという一式。

お客様も音楽ホール会場でガラスや鏡に映る着姿に自信を持たれたと。『似合う!かっこいい!』と感じて頂けたようでした。唯一変更したのが、帯揚。普段は無地や暈し、縞格子などの帯揚が多いのだけど、時折こういうことも。別の着物用に買って頂いたのを今日の一式に使用。結んでしまえば何の柄か殆ど分からない帯揚なのですが。18年前は、華文を染めたような濃い色の帯揚。これだけは何故か古臭く感じました。

帯に関しては、今の感覚からすると、もっと素材感で勝負するような無地感覚の帯か、格式ある『錦』を選んでいるかもしれません。ただ竹笛の中にお目出度い柄を織り込んだ帯(このときどういう風にこの帯を選んだかは、思い出せない)は、格式の中に可愛らしさを感じたので、それに同調させて、このオーケストラの柄の帯揚げにしたのと、帯揚が今の配色だったこともあります。もちろん、着用が音楽会であったこともです(ベタですが;;)

ただ、一つ変えただけで気分もグッ!と乗りますし、帯揚げが、着物から帯への橋渡し存在である、またはワンクッションである存在と考える事が多い昨今では、やはり今の色のトーンは必要でした。帯締めを変えるとさらに雰囲気は変わるでしょう。

帯揚以外、18年前の自分の目も間違ってなかったと、今でも十分に通用するお洒落な着物になっていた事に、一安心した日であります。


●2011年11月01日(火)


細い縞を織出した白生地に、グレーで目返しを入れた染めの縞着尺です。織り縞と染め縞の二重構造で、平面的になりがちな小紋染め縞に、さらに厚みを持たせる狙いです。

もちろん、こういう染めのものは、ご自分にあった色で別染めされることがよいと思います。この色は男女兼用できるようにしてみました。

生地巾は1尺1寸あります。