●2002年11月26日(火)
大島紬に大島の八掛と裏地について 自分が店主になっていちばん助かるのは、ある意味コストを度外視してでもきものを作る事ができること。でも商売に厳しくないといけないといつも思い続けるんだけど、これいいなと思い付くと、『えいっ!』とやってしまうことが多々あります。 もともとどちらも表生地として作られた着尺なのですが、仕入れする段階である程度こうなるかなっていう気もしていました。一反から3枚分八掛が取れるのですが、そういえば、こうして切ってしまっても残してしまうことて意外とないんですよね。反物の値段にもよりますが、八掛向きの柄は結構ありますので生地質さえ問題なければお洒落な八掛をお付けすることができると思います。(ハードユーザーの方には、やはり綾のものがいいと思いますが) 羽裏、八掛、そして胴裏、裏衿ここに神経を集中しなければならないことはいうまでもないと思います。表生地がより無地感覚のものが好まれるようになった今だからこそ、裏地に細心の注意をはらい、お洒落にしあげることとの大切さを感じます。 胴裏、八掛にそれぞれ一万円以上(そこそこいいもので)かかるはずですし、将来的に着物のコンディションにもかかわることなので、呉服店自身もコスト計算以外の処で気をくばる必要があります。(仕立上りの値段の時は、確認したほうがいいと思います。) 京都には裏生地専門のいいメーカーがあります。その研究熱心な生地開発の姿勢にとても共感がもてます。もし機会がありましたら、いちどなか志まやで御覧になって下さい。 そのクオリティーの高さに驚かれると思います。ちなみにこの格子の大島の胴裏は、ここの紬用胴裏で、羽二重と違いすこし節目のたつ生地ですが着崩れしにくく、風合いがいいものです
|