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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2008年09月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2008年09月30日(火)

     吉田美保子 作 『存夜気』 完織!

 完成しました。なか志まやと吉田美保子のコラボ作品の第三弾。

 今日は、一衣舎さんのアトリエで、仮絵羽の相談です。

 これ重要!

 デザインセンスが問われます。

 どこを前身後とするから始って、着物全体のバランスと着姿として

 美しくみせる演出効果を、この刷込み絣に求めているからです。

 基本的な演出効果は、

 着物がこの形である以上、絶対に変わらない方法です。

 なか志まやは、絣系の着物をほとんど扱わなくて

 絣の野暮ったさがきっと遠ざけていたのだと思いますが

 今回は、その絣系の染織技法を用いて

 なか志まやらしい演出が出来る着物になったのではと思います。

 袖だけ織り上げて、方向性を探った時には

 若干、不安もありましたが

 こうして全体を眺めていると、絣がとてもモダンに

 生き生きとみえます!

 はやく仮絵羽をみたいものです

●2008年09月20日(土)

     緯糸たち・・・

 
 この糸が全部織り込まれると 完成に近づきます。

 気っ風市の初日にもしかしたら 間に合う可能性も

 出て来ました。吉田美保子さん!頑張ってくれているようです。

 感謝!


●2008年09月19日(金)

     『そんやき』とは『存夜気』と書きます

 吉田美保子さんに、どういう漢字でしたけ?と聞いたところ、
ご返事を頂きました。
彼女自身は、哲学の授業中に先生が何かの例えで使われたらしく

 まだ朝ではなく さりとて 夜はもう超えた気分
 まだ始まっていない これからどうとでもなる 
 予感だけは微かに感じる

などなどの話だったらしいです。『孟子』が出典とのこと。
僕には、孟子を読む気もさらさらなく、この説明だけで十分でした。

 僕の存夜気は、早朝まで働いていたバーテン時代、麻布台から陽が昇る直前の東京タワーが美しいなと眺めていて、さらに上を見ると、紫と青黒い境目がある。
宇宙と地球の境目があるなと、そう思った時のイメージを伝えたものでした。

 生きている限り、存夜気は繰り返され、朝を迎える前の『まだ始まっていない、これからどうとでもなる。その予感だけはかすかに感じる』この気持ちが素直に分かるならば、僕もまだまだ若いのかな。


●2008年09月11日(木)

       経ての糸に

 作っているものは着尺ですが、方法論は絵羽という今回の織の着物。
『そんやき』は、遠い昔に見た風景の再現と、着手の美しさを演出する技法を開発しています。試染織を3回ほどして頂いたので、曖昧だった僕のイメージもだんだんに固まって行きます。その度に、吉田さんに、偉そうに『着物はね、着てこうなるから、ここはね・・・』と講釈を垂れて来まして、それが、ただ経て、緯糸を織り込むだけでない染織方法を生かす最大の道ではないか!というのが、今のところ、中島、吉田のコンセンサスであります。
 とはいえ、果たして上手く織り上がるのであろうか、一抹の不安は隠せず織り上がってから、仕立て屋さんの知恵もさらに必要であろうと思われます。

 10月4日からの気っ風市初日は、諦めました。
おそらく10日頃かな。織上がりよりも、早く人に羽織らせてみたい!そんな着物になると信じています。

●2008年09月03日(水)

    吉田美保子 作 新作作戦会議vol.3

 七緒という雑誌に吉田美保子さんが特集されています。
ちらりと拝見したけでよくは見てはいなかったけど、かなり大きなご本人画像が何枚も載っていたのでびっくりです(笑)

 これで、彼女もようやく全国区だね。3月には、銀座のもとじさんで、個展というものらしきを、やられるようでこれから、注文が難しそうだ〜

 さて、昨年の『大理石の宮殿』というテーマの絵羽と着尺に続いて、第2弾のテーマは、、、、『そんやき』 です。
 おそらく彼女しかしなという、今迄の織作家さんがやらない技法を用いて、織り上げます。『そんやき』は、僕が、遠い昔にみた風景を今度のテーマにしたいと伝えると、それは、『そんやき』でないの?とうことで始まっています。

 今回も、ただ何で染めて、どんな糸でどんな風に織ったという着物ではなく、
反物から着物という形になったとき、着装の美しさを着手に感じて貰う為に
染めて織ります。反物が美しいというのと、着て美しいというのは必ず両立させなければならないものです。
 今回の彼女の技法が、着た姿を美しく見せるのにとても効果的なのではという
吉田さんとの意見一致をみまして、現在進行中の着物です。