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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2015年08月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2015年08月26日(水)

染織の遺伝子

日本の工芸の中で染織に興味を持たれたなら、柳という名前を何処かで必ず目にされたはずです。柳 宗悦(むねよし) 柳 悦博(よしひろ) そして柳 崇(そう)さん。さらに柳さんの工房で学ばれた数々の染織家の方々。
プロの呉服屋でありながら、その系譜、詳しい事を総て分かっている訳ではありませんが、日本の染織の中で大きな柱となっているのは間違いありません。

画像の帯は、柳 崇さんのご子息、柳 晋哉さんのもの。
崇さんから、『矢車地菱綾織九寸、柳の伝統の組織だよ』と教わりこの帯を受け取りました。撚糸と精錬にこだわりのある柳さん作品らしく、糸にふくらみを感じます。触ると『ククッ』と手に馴染みます。

晋哉さんには、私は工房で機に向かってらっしゃる姿を後から眺めているだけで、帰り際に簡単な挨拶しか出来ませんでしたが、いつか気軽な話も含めて、色々お話をさせて頂きたいと考えています。彼が機(はた)に向かうその姿には、確かに伝承されていく遺伝子のようなものを感じましたし、これから私はあと何年、この呉服という仕事に携われるか分かりませんが、これからも追い求めて行きたい染織作家さんだと思ったからです。

この帯はシンプルな構図でありながら、見る角度で大きな菱文が浮き沈みするので非常に立体感を感じる組織で織られています。
天然染料で染まった色合いもシックな銀鼠、大人の女性が締めているイメージで、これまたシックな綾織の着尺を合わせてみました。同系色の小物で纏める事も出来ますが、ここは帯締か帯揚どちらかにビビットな色合いを挿してみたいと思う私は、まだそんなに老いていないかな、、、と、この投稿のテキストを書きながら、加賀の棒茶を啜っています。

●2015年08月22日(土)

今年、最後の夏の仕度

ジャワ更紗・レイシアの工房を主催する藤井礼子さんのお仕度。
レイシアの工房スタッフ・エディ君デザインのジャワ更紗麻帯を締めてお出かけです。

着物 経緯壁糸着尺 乱れ絣格子 一衣舎水洗い仕様仕立て
襦袢 小千谷100番手絽麻ブルー 一衣舎水洗い仕様仕立て
帯締 笹波組無地  帯揚 麻絽無地
草履 真綿入りパナマ (共に和小物さくら)

●2015年08月21日(金)


●2015年08月20日(木)


●2015年08月08日(土)

秋にむけて

夏にも秋冬にも、定番で染めている仁平幸春氏の『染め分け帯』の新柄です。今回は帯生地にこだわりを持ちました。
タサール蚕からの手紡ぎ糸で織った帯地です。

制作は、山梨県北杜市で染織をやられている眞木 香さん。
とても野趣あふれる生地です。
これまでと同じように墨の濃淡で染め分け、胡粉で白のアクセントがつけてあります。

着物は、経緯(タテヨコ)真綿糸で織った亀甲綾。
白鷹の機で織っています。
触り心地の柔らかさと、規則正しい綾織りの地紋が、真綿糸の不規則さで色んな光や陰をつくり、それが相まってとても味わい深い布になっています。

着物も帯もグレイシュにまとめていますので、あとは帯締と帯揚次第。その取り合わせる素材や色で、様々なニュアンスの着姿を作り上げる事が出来ると思います。

●2015年08月06日(木)

染織家 志賀松和子さんからの便り!

なか志まや用に用意してくれた糸です。志賀松さんはご自身で糸を挽き(生繭・乾繭)、撚糸も草木による染色も、織りもお一人でやられます。
この糸はご自宅にある『ピラカンサス・橘擬(たちばなもどき)』で染められた糸、無撚の生絹となります。

下の画像、機(はた)に掛かっているのは綾織、もうすぐ織上がり湯通し、天日干し、砧打ちの仕上げをしてなか志まやに届きます。
いま、なか志まやが一番自信のある、なか志まやだけの綾織です!

●2015年08月05日(水)


●2015年08月01日(土)

秋単衣と袷にむけて その1 光沢系絹織物

新作の綾織り4色が揃いました。
組織、色共になか志まやの別誂え。スーツ感覚で織の色無地をお召し頂けるように、お求め易いお値段で制作して貰いました。

布の質感、組織、色共にまさに、なか志まや好み。
好き嫌いは分かれるかもしれませんが、帯合わせでスマートカジュアルから準礼装までお使い頂けると思います。