●2010年08月19日(木)
仁平と白洲 仁平幸春さんにお願いした第一弾。 天然染料/茜、矢車附子の鉄媒染です。ひとつとして同じ表情を見せない生地。 端から端まで手が掛かったロウムラは全く見飽きる事なく、浮き沈みする抽象的な地紋が、まるでとてつもなく長い年月を経たような古代の壁画のようにさえ見える。 先染めの絹織物を、自分の着物の軸として来てもう随分となるが、先染め同様に、後染めにも生地に奥行きが感じられることをいつも念頭に置いている。画像はいつも私の素人写真で、ライティングもかなりいい加減なものだから、この着尺の『妙』の30%も伝えられないけどれど、いままで作った織り無地と同じ、いやそれ以上に深みのある着物が出来上がった。
合わせたい帯は、仁平氏の工房で見つけた。レースの帯である。 想像以上に着物と帯が共鳴して、何か音が聞こえて来るような錯覚さえもする。 同じ作者なのだから当然と言えばそうなのだが、、、 本来ならすぐに持ち帰るところなのだが、ひと呼吸。楽しみをすぐに実現させてしまう前に店にある帯を乗せてみる。 白州正子さんが、昔、洛風林に発注した太子間道の復刻版。 二重経の手織九寸名古屋帯。 勿論、なか志まやのオリジナル紬/箔の白帯もあう。仁平さんには、この帯を見せて着物のイメージを掴んで貰ったからだ。
仁平と白洲、、、、『にへい と しらす』 何か和食、美味い食べ物の取り合わせのようで、今晩のお気に入りである。
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