●2014年07月30日(水) 『縞に縞を合わせる 盛夏から9月の初めの単衣』 手描きの経てシケ引きの着尺。絹と麻の交織なのですが、透け感が少なく、麻糸による程よい張り感があるのですが、布地全体としては、麻糸の存在を感じさせず、盛夏も単衣もお使い頂ける着尺だと考えています。 9月に入ったすぐはやはり、8/31以前より暑い日がまだまだ続く事が多いのですが、着物を知る方にとって、そうとは言え、麻の着物に手はどうしても伸ばし辛いものです。昨今の気候というより、このあたりの衣替えのルールは、カジュアル着に寄れば寄る程、もっと大らかに変更して行くべきですが、世の目にはまだまだ煩い人も多く、困ります。肌感として絶対に無理なのに。このあたりについて、世間で影響力のある人が、もっと声を大にして発言してもらうなりして欲しいのですが、そう上手くはいかないようです。 9月の一日からも、8月も着物は単衣もので間違いないのですが、問題はその素材です。着尺にしても帯にしても、最適なものはなかなか見当たりません。 いまなか志まやが出掛けている、生絹(きぎぬ)の先染めの着物は(出来上がりは8月末より)、そんな問題への1つの答えになってくれるのではないかと期待していますが、画像のこの着尺は、その1つ前、つまり盛夏から着て頂いて、9月に入ってもお召になって頂ける着物ではないかとご提案します。なお、9月に入れば合わせる帯の生地質はこの画像の組織とは変更します。紙布と竹紙布で織られているので、糸質は9月の単衣に向いていますが、織りの組織がもう少し詰まったものが良いと考えます。
●2014年07月24日(木) 男の夏の着物 『出来るだけ、シンプルに〜シンプルに〜』というご要望で、コーディネイトしました。 白の反物は、米沢の生絹 グレーの反物は能登上布角帯は越後上布(経てラミー 緯手紡苧麻) 長襦袢の替わりに、なか志まやお得意の浴衣の重ね着(柄入り浴衣)を提案したのですが、さらに『シンプルに〜シンプルに〜』というご希望で、白無地の浴衣を重ね着用として作ります。
●2014年07月17日(木) ジャワ更紗・Reisia 藤井礼子 麻地九寸名古屋 帯 (なか志まやNO,1) 蝋付けの細かさと、厚さの濃淡が付けてあることが分かりますね。ジャワ更紗はチャンティンという蝋付けの道具で線を引きます。蝋付けをした後、その線をランダムに削る事によって蝋の厚みを不揃いにし、そして、染めます。 蝋付けをした線を削るのは染師の仕事です。大変手間のかかる仕事ですし、染師の技量で仕上がりは大きく変わります。 (藤井礼子さん談より)
●2014年07月16日(水) 夏の白いきもの 梅雨のそろそろ明けそうで、夏着物がいよいよ本番になって来ました。 今年も白い夏の着物をお勧めしています。米沢の生絹(すずし)の着物。生糸使いで、変わり撚糸ですが、この絹の着尺も、麻の着物と同じく、水洗いが出来る使用(一衣舎製)にして夏に爽やかにお召し頂いています。
●2014年07月14日(月) 今日の展示より(夏衣) 米沢の近賢織物さんの生絹の着物 変わり強撚糸を使い、生糸のまま精錬しないで染色して織り上げた夏物です。絹ものなのに『シャリ!』とした質感は、まるで麻のよう。手頃の小千谷縮のあとの次のステップとしてお勧めしています。なか志まやでは当然、この着物も水洗い仕様(一衣舎製)でお仕立てをして、麻の着物のように自宅で手軽に手入れが出来るようにしています。 仁平幸春氏の崩し格子更紗帯・麻九寸名古屋帯 平地の麻に墨染めで変わり格子を染めて貰いました。墨染めは麻生地によく馴染み、清涼感が増します。金と銀でユルく輪郭をとり、文様に奥行きが持たせてありますね。 こんな着物と帯の取り合わせの時には、思い切って黒の麻の帯揚などをしてみたくなります。袷の時期にはなかなか出番のない黒の帯揚ですが、素材が絽麻になると黒でも重くなり過ぎず、むしろちょうどよいアクセントになります。 帯揚はやはり笹波組みでしょうか。着物も帯もシンプルな線の構成なので、ここは邪魔をしない色目を入れてみたくなります。
●2014年07月13日(日) 織司なかむら『違い縞』(ドットと緯段)風通お召の新色に、仁平幸春氏のアンティークレース染め帯、新柄の『王冠レース』。 夏衣がこれから本番ですが、一方では秋単衣、袷に向かって始動しています。なか志まやが長年扱ってきた織司なかむらのお召をはじめ、綾織りの絹織物も新作が入荷しています。『グレーとベージュ、そして白』という基本を踏まえて、セレクトしてあります。絹織物系(生絹、白鷹など)は、副反が難しいものが多いので早めにご覧下さいませ。
●2014年07月12日(土) 麻の夏物 絹の夏物 男性的なイメージのコーディネイトです。越後上布着尺に、紗織りの八寸帯を。 鎌倉時代の船越間道を織り上げています。シンプルな柄の構成と色合いがキリリッとした夏の装いになると思います。是非、白い日傘の下で。
●2014年07月11日(金) 麻の夏物 絹の夏物 麻織物は、日本民族において歴史的に見ても、その生活に深く関わって来たし、神々の信仰における重要な裂として、絹よりも古く長く愛用されてきたものだ。 『着物の醍醐味は夏にある』と昔からよく言われている。この場合、殆どは絹織物を指しているのでなく、麻織物や自然布系のものだ。先に書いたように日本人の心根に深く根ざしている麻への愛着が、もしかしたらこの醍醐味という言葉になっているかもしれない。 最近のCMで『麻を着ると、大抵、どんな男でも女でも粋になる』というのがあって、これは確かに言えている。麻のスーツ、麻の白いワイシャツなどを着ている人を見ると『お洒落さんだな〜』て本当に思う。シルクのスーツやワイシャツを着ている場合よりもだ。 今の時代、麻という布にある日本民族に関係する歴史的な意味合いを説いても、?となることが多いので、いちいち話すこともないのだが、たとえ最高級の上布でなくても、夏に麻を着てその着心地を楽しむことを是非して欲しい。手入れも格段に楽になりますから。 画像は 越後上布着尺 下井紬夏名古屋帯
●2014年07月10日(木) 雨コート仮縫い 雨の振り方が昨今は変わりました。着物の愛好家にとって、雨コートは必需品となります。これは雨コートの仮縫いを着物の上に羽織って頂いて細部の寸法を調整している様子です。 生地はしじら織地風のもの。コートは、着物や長襦袢のように、着付けの途中で腰紐や伊達締めをすることで身体に調整することが出来ません。コートや羽織は肩で支えて着るもので、衣紋の抜き方、帯の種類や結びで大きく左右されます。 ですので、採寸した寸法が有効であるかどうか仮縫いして羽織って頂き、検証することが大切です。 画像は繰越の具合を見ています。ここが最大のポイントと教わりました。この他、フェチのように画像を細部にわたり様々なパーツを撮影してありますので、いちおう最適であろう寸法は見えて来ていますが、仕立屋(一衣舎さん)とコート職人に情報をフィードバックして、本縫いに入ります。
●2014年07月09日(水) 雨コート仮縫い 画像2