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ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2009年07月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2009年07月23日(木)

吉田美保子着尺 第3弾 進行中


幾度と、もの創りをしていくと、大概お互いの呼吸も分かるので
方向性はすぐに分かって貰えるものです。

はじめは、どうしても絵羽を織らせたい!から始り、次は彼女がやりたい技法を
活かす方向から着物を決めました。今回は、今年のはじめに、月をテーマにするよと
軽い振りをしていたのですが、自分自身はいつまでも、ぼんやりとしたイメージのまま、この夏に突入しています。

ただ、ものの美しさは、すべて光が創りだすもので、それを操ることが出来る人は
ものすごく芸術性の高い人のように思うのです。
たしか、ルーブル展に、大工とイエスの子供の頃のとても大きな絵が来ていたと思うのですが(とても有名な絵でした:::忘れました・・・)、あのぼう〜〜〜〜とした輝きに満ちあふれた表現には感動しました。

織物は、光を操る事が出来ると思います。
それは、ジャガード織りの紋お召でさえ、紋織りされた生地が、人の動きで豊かな光を反射させ、生地に奥行きを見せてくれます。染めのものが少なくなって来た一つに
奥行きのない柄が多くなったせいだと考えています。織りには生地に奥行きがあり
光によって豊かな表情を見せてくれるものが多いです。ここに大きな魅力があるのだと。

今回は、7丁杼。
ほわ〜んとした白を目指しながら、織り込んでいきます。
出来上がるものは、やさしいもの。でも織手には緊張を強いるものです。
一本の緯糸でさえ、織手は気が抜けません。
吉田さんは、相変わらず真摯にこの織りに向き合ってくれています。
織り上がるものに、なんの邪念もなく、静かに柔らかい輝きを出す為に
一本ずつ織り込んでくれています。

完成(望月)、、、まもなくです。




●2009年07月22日(水)

吉田美保子に some ori


日本一有名な呉服屋さんでの個展を終え、引っ越しも落ち着いた頃から

なか志まやの第三弾、オリジナルを進めています。

白くてあたたかいもの

これが今回のテーマ。

大理石宮殿 存夜気 ときて 今回は・・・

あまり大上段に構えず、すこし力を抜いて、ほわぁ〜としたものを

染めて織ってもらっています。

それと、前2作と違うところは

この着尺をベースにして、それぞれのお客様の

オリジナルのオーダーにお応えしたいということ。

まだまだ手探りですが、白い織物

ほんわか完成に近づいています。


●2009年07月04日(土)

天使と金子國義・・・凸面鏡



●2009年07月03日(金)

悪戯に・・・


RUmi Rockの図案帳を澁澤先生の本の中に

並べてみた・・・

●2009年07月02日(木)

昨年の6月11日の店主日記の画像


澁澤邸へお邪魔出来たのも、2009年6月11日

完成からちょうど一年のことでした。

澁澤龍彦先生へのオマージュ図案『ドラコニア・サロン』


●2009年07月01日(水)

ようやく、店主日記の欄が見れるように・・・
システム的にはそろそろ限界というお話で、そろそろ大きな変革をよぎなくされるようです。

 2月以来の店主日記ですので、今年前半の最大の出来事から・・・違うブログに書いていたものを載せておきます。

2008年のなか志まやオリジナル図案『ドラコニア・サロン』は
かの澁澤龍彦先生をオマージュしたものです。
昨年の6月に発表してちょうど一年の先日、ある方のご縁で北鎌倉の
澁澤邸に伺い、この図案と反物をご夫人の龍子さんに見ていただきました。
最近は着物をお召にならないということでしたが、この浴衣なら着てみましょうかねと
うれしいお言葉を頂き、お納めすることになりました。

このトピでも、澁澤龍彦オマージュ図案については幾度も取り上げて来ましたが
一年後のこの結果はとても想像すらできないものでした。
一つの着物の図案が、まったく縁のない人々を結びつけたことに、驚きを隠せません。
数々の本の中でしか見た事がなかった澁澤先生のご自宅、あの驚異の居間と書斎に長く身を置いていますと、まだまだ澁澤先生は生きていらして、先生のお留守にお邪魔したような感覚に捕われて、いつ何時、澁澤先生がやぁ!君は誰?と帰って来られるのではないかと、最後まで緊張していました。

龍子夫人のご好意でワインとオードブルをあの居間で頂きました・・・
かって三島由紀夫や四谷シモンや土方 巽や・・・
本でしか見聞きしたことがない多くの人たちが、澁澤先生を慕ってこの居間と書斎で
夜遅くまで様々なことを談義、談笑されたことを思うと、決して自分はそういった
著名な先人方の足元にも及ばないけれど、何かしら芸術やエロスに妄想を飛ばしてみたくなります。

龍子さんもビックリされるようなハプニングも続出して、毎分毎分エキサイティングだったのですが、この日に集まった人々が、それぞれ各々の想いを胸に秘めて、それで皆が幸せな時間を過ごせた事が嬉しくあります。一生の思い出となるとは、こういうことをいうのでしょう。いままた資料本を見ながら、これをみた!ああ〜これはこの人の絵だったんだ!あれは見逃した!!!!などなどあの驚異の部屋、ドラコニアサロンを自分なりに検証しています。最も有名なものが、篠山紀信が撮影したものですが、これからは自分なりの『パノラマ 澁澤龍彦邸の時間と空間』を創り上げたいと思います。