TOP お知らせ 店主日記 よく遊べ 店舗のご案内 気っ風市 お問い合わせ

ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2006年05月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2006年05月30日(火)

個人の思い入れで 何かを

 創ることは、決して芸術性のあることのように思えないし
 商業主義に乗っ取った商品でもないと思う

 多くの方に認めてもらいたい訳でもなく
 沢山売れることも 望んでいない
 ただ、ただ個人的な発信

 もし着て頂ける方がいるなら このデザインの解釈は
 まったくもって自由だと思うし
 何も考えなくても 単純に『クールで、ロックな』浴衣に
 なっていると思います

 

●2006年05月29日(月)

  別のブログから、、、、抜粋

先のトピックスで書いた、ある緊縛師さんから頂いたメッセージも、このデザインのインスピレーションになっています。個人的に頂いたメールですが、その中の一節が僕の心に残っています。

『緊縛は身体こそ縛っていきますが、心は解放に向かっていきます。 その心の解放は、より深い結びつきとなります。
そこに信頼関係が生まれます。
より女を独占したいという気持ちと、どこかで、その女からも自由になりたいという相反する気持ち、独占していたいから自由にする。50にしてぼんやりとそんなことを考えています。』

 この『緊縛』のデザイン画は、緊縛という行為、形が分かり易い表現から 、少し自由になって、やはり自分の一番好きなスタイル、つまり、直接的な表現は避けて、その意味を隠したスタイルにしたのかもしれません。
 まぁ、最後は、やはり単純にデザインを洗練された感じにしたかったんだと思います。

 『緊縛』という行為は、その中に内包される意味が多いと思います。何かしらに人間の精神は縛られ続けると思いますし、きっと、その縄から逃れられないと思います。
 そして、着物という衣裳は、そんな縛られた人を美しくみせる最高の衣裳のように思えます。

●2006年05月27日(土)

別のブログから抜粋(5/3)  『縛り・緊縛』浴衣について

『没にした秀逸なデザインついて』 ここではお見せできませんw

 今年の新作浴衣として、緊縛を題材にした浴衣を作成中です。
『呉服なか志まや 西へ』展で発表した、デジタルプリントによる羽裏『朔縛、望縛』は、ここでもお見せしましたが、今回は浴衣にそのテーマを引き継ぎました。
 何故、中島がここまで『縛り』にこだわって、自分の作品の中に取り入れていくかは、表層的ないい方をするなら
『着物は縛られる衣裳』だからです。
前に『帯の源流』というトピでも少し触れましたが、色んな紐に縛られながら(腰紐から伊達締め、果ては帯)着装しますので、その紐自体とその行為に、毎回変化があり、それが着姿に影響する面白さがあるから、縛りにこだわっているのかもしれません。

 深層的には、これは決して誰にも話す事ができないものでしょうw なにもプライベートにおいてそういう嗜好をしていることを
暴露しているのではなく(て言いますか、そういう趣味はない)
きっと精神的なものです。

 男と女が、お互いの着物の紐を結び合った、、、、遠い昔、『後朝(きぬぎぬ)の別れ』とされる時代があったこと、といえば分かり易いかもしれません。

 着物のデザインのテーマとして『縛り』を持ってくるのは、このコミュの主旨でもある『異性を意識し合った男女の異なる感性に影響される衣裳』という考えを、具体的なデザインとして、一番表現しやすいテーマだからでしょう。

 まぁ、そんなことはさておいて、ここに挙げたのは、デザインの為に用意した伊藤晴雨の画と、そこから生まれた浴衣のデザイン。残念ながら、没にしました。

 縛りの紐は、緯に身体を締めつけた時に美しく見えると思っていましたし、なによりもこの『唇と顎のラインの美しさ』そこに
紐を咬んでる唇とは、、、、!!!と絶対にこの構図から、浴衣の柄を!と意気込んでいたのですが、、、、、、

 手拭をつくるなら、何の問題もないのですが、柄が繰り返す浴衣、尚かつ身体に着装することを考えると、、、、

 結局、今 染めに出している浴衣のデザインは、シンプルでシリアスな感じとなってます。単純にかっこいい!と思われる感じといってもいいでしょう。
この没デザインのように、どこか情念が込められたようなものとは、違います。僕的には、この劇的な麻縄と、たらりと下がる女の髪には非情に惹かれるですが、送りデザインを要求される浴衣
(同じ柄がひっくり返ってつながる)には少し無理がありました。


●2006年05月26日(金)

    『NIWATORI』  

 中島の想いだけで、創った浴衣。
 干支遅れ、それに鶏だらけ、、、、

 それでも、今、鶏。『コケコッコ〜!!!』

●2006年05月03日(水)

    NIWATORI

 昨年の3月中旬に、雨の中、京都近代美術館にまで足をのばして、はじめて
『伊藤若冲』の画を観てきました。同じものを何度も眺めては、立ち止まり、また次の画を観ては立ち返り、単純に『かっこいいな〜』て感動していたものです。

自分の思考回路の長所でもあり短所でもあるところは、自分が感動したものが、自分の仕事に生かせないか?と考える処だとおもいます。よく言えば?素直、悪く言えば
馬鹿正直なんでしょう。

 で、なか志まやオリジナル新作浴衣『NIWATORI』
(干支は昨年、時期外れ?なんてことは全く関係なく、自分の世界感に酔って創りました。)この画像は、その型を彫ってる最中のもの。

 今日、染め上がったと芝ちゃんから連絡が入り、反物を見てきました。
昨年の3月からだから、一年ちょっとかかったけど、自分の想いが一つ作品(=でも
所詮、着てもらってなんぼのもの)になって、ちょと胸があつくなりましたね(泣)
 図案のデザインも勿論すばらしいけど、これを彫ってくれた金子君にも本当に感謝です。

 実は、この他に今日は、沢山の浴衣、手ぬぐいが染め上がっていて、そのどれもが
素晴らしくて、、、、これにも偉く感動してきたんです。
浴衣は、今やどこでも買えるTシャツみたなものだから、きっと一反一反に、僕や芝ちゃんみたいに、思い入れを持って創ってる処はそうないと思いますね。
 今浴衣はマスプロダクトの商品だから、僕が提案する浴衣(極小ロット)は、この業界になんら影響は与えないと思うけど、これを着て貰う方には、大きなインパクトを与えたいと思います。はっきり言って『着手も選ぶ!』そんなデザインと染めだと。

 今日は、まだ染め上がって来なかったけれど、もう一つ、なか志まやらしい浴衣が
あります。昨年の『呉服なか志まや 西へ』で発表した羽裏『朔縛 望縛』の浴衣バージョンです。

 なか志まやもRUMIX(芝崎るみブランド)も今年のラインナップに関しては、注染染めのものです。昔ながら本当にアナログな染めではありますが、某○○が流通させてるような商品とは、まったく一線を画して、見て頂いた方、御召しになって頂いた方に、衝撃を与えるような浴衣達が、今年の夏にはお見せ出来ると確信しています。

 5月に入って少し調子が悪かったのですが、浴衣の出来の良さに少し、元気を貰いました。さて、、、、こんなにいい浴衣、、、、どうしようか?