TOP お知らせ 店主日記 よく遊べ 店舗のご案内 気っ風市 お問い合わせ

ある日のなか志まやの出来事、つれづれ

2010年04月の店主日記
[過去の店主日記一覧]
●2010年04月25日(日)

『一衣舎春展』と『お召の総居敷当て仕立』と『うすお召』


春展の準備も大詰めを迎えていて、搬出前の反物を見ているととても興味を惹かれます。今年も見応えのある展示になりそうです。今回は一衣舎江戸小紋に合わせる帯をお手伝いさせて頂きました。

ここの帯は著名な方々にも愛され続け、その糸作りから帯の意匠、織りの組織まで常に美しさを追い求めて来た歴史は、今尚、守り継がれています。今回は一衣舎江戸小紋を京都に送り、この素材と染め、柄にあうものを、わざわざ選んで頂いています。
どうぞ御期待ください。

風通お召を、航空絹布による総居敷当仕立てにするという一衣舎さんの試みは、匠の技とも言える仕立ての技術によって完成しました。素人的な発言、または極端ないい方かもしれませんが、『仕立ての糸』を感じさせないのです。着物は糸で縫い合わされているはずなのですが、何か見えない別のもの、それは空気のようなもので生地がピシッ!とおさまっている!とでも言えばいいでしょうか。
他のお召とは違いより縮緬に近いとろみのある生地が、このお召の特徴でもありますが、身体にその生地を沿わせながらも、直線的なラインが素晴らしく綺麗に出来上がっています。見事としか言いようがありません。

いつでもすぐに出来る仕立てではありませんが、いいものを作らせて頂きました。
ありがとうございます。

Rumi Rockの浴衣が揃う前に、うすお召が全柄揃いました。
生地的にはこれでついに完成です。うすお召という素材自体が無かったものですから
織元に感謝です。染めの加工のセンスも抜群で大胆なものから上品なものまで揃いました。ただ少数なため1反のみのものもあります。
ご興味のある方はお問い合わせくださいませ。

夏の襦袢も微塵紅梅(絹/綿、絹/麻)と今は揃っています。
昨年の1シーズンに50回という水洗い洗濯に耐えたという、恐ろしい襦袢です。





●2010年04月17日(土)

一衣舎 春展のオリジナル作品・・・そして


一衣舎さんの個展でいままで数多くの一衣舎オリジナルの褌、肌着、半衿、綿の着尺、紬、更紗帯などなど数多く目にしてきましたが、素材と染めと柄がマッチした秀逸なものをまた見せていただきました。

普段着きもののサポーターとして、一衣舎さんの作られる作品は魅力があり数多くのファンを全国にお持ちですが、そうしたお客様の中に『お茶席でも着れるきものを!』という要望は前から多く寄せられていたのを知っています。

その要望に応える為に数年の歳月をかけて完成したのがこの着尺です。
作品のサンプルを作ってから一年、奥様が着用されて検証されてからの発表ですから念の入れようは、さすが一衣舎、木村幸夫氏です。

僕ははじめて見たときから気にいっていたのですが;;;
詳しくは、27日〜30日の一衣舎・春展でご覧になって下さい。
なか志まやでも取り扱いをさせて頂くようになりました。この生地を織ってくれる産地、そして染めてくれる方の為にも、少しでも多くの本物を分かる方に着て頂きたい着物です。春展では、この着物がセミフォーマルからカジュアルまで帯次第で着こなしができる例のお手伝いをさせて頂きます。是非、ご覧になってください。

追記;帯締めの共同作品についても模索中ですが、もう少し時間が掛かるかもしれません。天然染料を使った色出しで組み味は抜群です。今迄にこの帯締めを手に取られた方は限られると思います。また、あの日月文錦の帯以来、すっかりファンになってしまった洛風林同人、勝山織物・勝山健史さんの帯もなか志まやは追いかけて行きたいと思います。まずは、あの裂見本からの名古屋帯。色出しを考える京都での打合せが楽しみであります。

●2010年04月01日(木)

新たな試み


風通お召は二重組織の織物ですから、裏表がなく単衣に向きます。なか志まやでもずーと定番として扱ってきて、お客様にも指示頂いています。今回はあるお客様に為に少し新しい仕立て方(つり合いへの挑戦)を、一衣舎さんと相談してきました。

基本、先生は面倒臭がり屋さんなので(笑)チーフSさんに、これは難しいというか無理な感じかな〜と振るのですが、ここがSさんの凄いところで、『なか志まやさんもよくご存知と思いますが〜・・・・』と丁寧に説明頂き、僕も『そうですね〜通常の単衣仕立てがいいですかね〜〜〜』となりかけたところに、先生が『ん〜〜〜じゃやってみるか!』て!!!!『やった!』

どういう仕立て方になるかは、まだ明かせませんが、新しい試みになります。
西陣お召は、お召風なものから本物の西陣お召まで様々流通していますが、生地としては仕立ての難度が高くなる布です。ただ僕はとても魅力ある京都の織物だと信じて、ずーと続けているのでこの試みもうまく行って一つの方法が確立できればいいかなと考えています。

また、一衣舎さんのアトリエにあたらしい方が入られていて、でもその方は一級の免許をお持ちながらも、もう一度ゼロに戻ってここの技術を身につけようと頑張っておられる姿を拝見してきました。目がとても生き生きとされてて、頼もしいです。こうなれば早くこの難しいお召ちょちょいとこなして欲しいです!人の縁に恵まれるということほど幸せなことはなく、こういう意識レベルの高い方はとても重要ですし、呉服屋も様々なお客様によって育てられると常々思います。

この問題をなんとかクリアしたい!とか、こういう要望を実現したい!とか
はじめは確かに問題を抱えている状況でも、それをしない!という現状維持でなく、
やってみる!という挑戦の連続が、ここのアトリエ、一衣舎を進化させているのだと
あらためて思いました。

追記:細かな採寸データから、寸法を予測して下書きで持って行ったら、検討され細部まで決定された寸法とほぼあっていた!赤ペン先生みたいなものだ;;;