●2015年03月17日(火)
育てる布 志賀松和子作 生絹(きぎぬ) 染織家・志賀松和子さんの生絹(きぎぬ)、なか志まやのオリジナルで第4作目が織り上がって来ました。第一作と二作目は、経緯(タテヨコ)無撚の生糸使い、インドの丁字や薔薇などの草木染料を使い、平織りで作りましたが、三作目からは綾織りにして、この四作目からは、緯糸の使い方を変えています。 糸のスペック詳細は、お会いしてお話しますが、先に『育てる布』と書きました通り、この志賀松さんの布は、着れば着る程、変化してきます。本場の結城紬や高級な上布のように、布の味わいが増していきます。 今の着物では、絹織物系(八丈、花織、お召など)の無地感覚の着物を、合わせる帯次第で、準礼装として着こなしましょうという文脈があります。この着物にもそのことが当てはまると思いますが、志賀松さんの生絹(きぎぬ)という絹織物だからこそ、提案したい着方があります。 まず、単衣(春単衣も秋単衣も)として2〜3年お召し頂き、その後、洗い張りをして裏(胴裏・八掛)をつけて袷として着て頂くというものです。 今の時代では、新しく誂えた着物を、洗い張りをし、メンテナンスをして、またさらに着て頂くというサイクルは、ごく一部のように感じています。『育てる普段着』は勿論ありますが、『育てる準礼装』もありだなと、この布を見ていると感じるのです。そして何よりも美しい絹の織物です。
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