●2013年03月14日(木)
着物は経緯(タテヨコ)真綿紬糸で、江戸小紋の千筋程に縞を織り上げたものです。 真綿糸なので当然、節がありますし、経て糸も真綿糸ですと大変織り辛いものです。 しかし経て糸を生糸にするよりも、はるかにしっかりとした織物として出来上がります。高機の手機ですが、打ち込みもしっかりとしてあり、ふんわりと身体を包んでくれる着物ですね。 帯は仁平幸春氏作のレース柄の染め帯。 画像では分かりにくいですが、生地は金通し生地。地色は墨色です。 更紗の柄は、とても長い年月をかけて和服の柄と使われるようになりましたが、 仁平氏が提案する西洋レース柄の和用は、更紗において掛かった年月を、見事に短縮して現代の我々に見せてくれています。 300年以上の歴史のあるレース柄が、このように見事に和服の柄で開花しているのは、仁平幸春氏の作品の他に見当たりません。 帯締は和小物さくらさんの新作。帯揚はさくらさんの草木染め無地。 全体にとけ込みながらも、その上質さからくる目の留り所となっています。
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