●2014年12月24日(水)
12月24日着 クリスマスプレゼント 京都の志賀松和子さんから、あたらしい着尺が到着しました。 先の2作とは、生地の風合いも全く違います。使用した繭も違います。組織も違います。染料も違います。 一つの作品ごとに、打ち合わせをして、要望を伝え、それを繭の段階から考える。これは本当に凄いことで、なおかつ、今回、布はあきらかに進化しました。前回の2反は生絹(きぎぬ)の単衣バージョンであり、今回は袷用のバージョンです。 どの分野でも同じことが言えますが、染織の世界でも、あるレイヤーに属し、ある文脈を持ったものが、どうしても、まず良しとされ、それを枕詞に販売、購入されることが多いので、それに沿うことも、専門店としての在り方でもありますし、ある部分はわたしも同じです。 しかし、なんの前知識もなく、どこの層にも文脈にも属さない、ある無名の1人の染織作家の布を見て、『これだ!!!』て感じることはあるのです。呉服屋を長くやっていても、そう感じることはそう多くありません。しかし、彼女の布には『それ』がありました。 今年の始めから取り組んで来て、ひとつとして同じものがなく、次はどうすると頭を悩ませますが、今回の反物を見て頂く分かるのですが、これは非常に頭を悩ませた組織だったと思います。 単純なのに、もの凄い緻密に手が入ってる、、、と言えばいいのでしょうか。。。 ご自身で生繭、乾繭から糸を挽き、糸は無撚、撚りを自在に操り、身近な草木で染めて、、とまず彼女のことを紹介してしまいますが、今回のこの組織はさらに凄いです。そこを見て頂いたですし、この絹の艶やかさ、滑らかさを感じて頂きたいです。 出来立てのほやほや、これ以上あまり多くは語りません。とにかく縁があって、この布の美しさに共感して頂ける着手をひたすら待つことにします。下の画像は、仕上げの『湯通し 天日干し 砧打ち』の頃のものです
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