●2015年10月27日(火)
結城の総居敷当仕立て/水洗い仕様・仕立て一衣舎製 小学館・和樂の撮影で雑誌に掲載しました地機の結城を解き・筋消し・湯通ししました。反物を持つとなんと軽いこと、手のひらにほんわりとした感触が広がります。以前触った時より、すでに風合いが増した気がします。それに胴裏・八掛がないだけでも本当に軽くなります。 今回は、お客様のご要望により、一衣舎オリジナルの航空絹布による総居敷当・水洗い仕様に仕立てます。この仕立て方により(仕立て前の布地への準備も含め)、仕立て上がったまま、水洗いが出来るようになります。急なアクシデント(珈琲のシミをつけてしまった等)でも、部分的に水洗いも出来ます。 本来は洗い張りをしてやると良いのですが、それにはまた仕立て代も費用として出て来ます。本当に沢山お召になったら勿論洗い張りをお勧めしますが、シーズンの終わりのお手入れならば、普段のシミヌキ、汗抜きの他に、丸洗い(いわゆるドライ)ではなく、水洗いをしてさっぱりとしてください。 一衣舎さんでは、館山唐桟など木綿も多く扱われるので、裾さばきを良くし、そして自宅でも水洗いが出来る絹の航空絹布を開発されました。画像のように染めて手揉みしてあります。 裾や袖口などは八掛が付いているように見えますし、暖かい真綿を単衣としても、袷も時期も両方に着て頂けるようになります。 これだけ空調が整った現代生活では、このような単衣仕立てで紬などを楽しむことが出来ると思います。暑くて汗をかくと言う方もよく耳にします。何方にでもお薦め出来るとは言いません(仕立て代もそれなりにしますし、仕立ての時間も掛かります)。しかし、今回の結城にはお勧めしました。きっとこの着物の軽さと『育てる布』なんだなと実感して頂けると信じています。
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