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店主中島の、習い事など趣味のページです。

2014年10月のよく遊べ
[過去のよく遊べ一覧]
●2014年10月20日(月)

『線と線』

織楽浅野さんの帯を皆さんはよくご存知だと思うのですが、その沢山の帯の中で、なか志まやは昔から、浅野さんのこういうタイプの帯の作り方、そのセンスを好んできました。モダンアートの趣きがあります。

帯に共鳴して選んだ着物は、斜め縞の染め小紋。
2年程前から、少しずつ取り扱いしている斜め縞は、先のよろけ万筋の染めと同じく、なか志まやのスタンダード。地紋のある松岡姫の白生地に目返しで染めてあり、散らついた斜めの線に味わいを持たせています。

都会的といえば、確かにそういう取り合わせで、コンクリートや西洋のインテリアに設え映えそうな装いかもしれませんが、あえて寂びた和の空間に、土の壁の茶室などでお召し頂きたいような気持ちを持っています。

●2014年10月06日(月)

白い着物に憧れ始めたのは、いつの頃からなのだろうと思う。

文筆家の田中敦子さんの『きもの自分流リアルクローズ入門』という本の中で、『セイなる白の冒険』というタイトルの解説があって、その中でとても印象的な文章があります。

『白には三つの”セイ”が潜んでいる。それは神聖のセイ、生命のセイ、清潔のセイ』

この他に白い衣に関する様々な興味深い考察がなされていて、どこを読んでも本当になるほど!と思うのですが、興味のある方は是非読んで頂きたいと思います。

この着物や帯に関する説明は、是非お会いした方にするとして、先日の新作展でのエピソードを一つ。

80歳近い母様に、あたらしい着物を誂えようと、あるご夫婦がなか志まやにご来店されました。前に黒い染めの小紋を作って頂いて、今回もそういう感じのものをお求めだったのですが、ふと白鷹の綾織りの、殆ど白く光る反物をお顔に当てたところ、『おかあさん、綺麗〜!』と皆で心の底から叫んでしまいました。母様も最初はびっくりされていたのですが、皆が『よく似合ってる!綺麗〜』というので、お顔がほんのりピンクになってきて、それを見ていて、わたしも随分幸せな気持ちになりました。

白が美しいのは、着物では常に半衿や足袋を上げる事が出来ますが、こうした白系の着物を、人それぞれの『セイ』に活かす事が出来れば呉服屋として嬉しいものです。

●2014年10月04日(土)

新作帯を、小格子風通織の西陣お召に合わせて

勝山健史さん制作、塩蔵繭名古屋帯のデビューなので、着付けのお手伝いをさせて頂きました。春単衣用として合わせた経緯生糸の帯の時とはがらりと雰囲気を変えて、長年、勝山さんが温めていた柄の帯です。

●2014年10月03日(金)

今日のお客様、メタリックな光沢感を持つ大島2反で、グレーの濃淡の片身替わりの単衣お着物に、お客様のご要望で染めた仁平幸春氏の染め分け帯。着物も帯も見事にシンクロして、都会的なミニマムな着姿になりました。

お客様はご実家が関西の方なのですが、お好みは凄く江戸前といいますか、なか志まやの着物をよく理解くださっており、お母様と二人で半分づづ使用して仕立てられたという片身替わりの大島は、とてもなか志まやの好みでもありました。

着物を見ないまま、帯の白生地を、地紋が細かい角通しのような紋のある白生地を選んで染めに出しました。仁平さんは、もとの帯では絽麻の生地色、そのままの色の部分(麻の色合い)を、調和のとれた美しい白ベージュで染めてくれて、染め分け帯の新しいバージョンにしてくれましたし、なにより着物と帯がよくコーディネイトされていたのは、お客様のセンスですね。

帯締は平唐組の黒、帯揚は無地ちりめん、草履の台がシックな紫に白汚しの花緒、ツボと鼻緒裏が赤で装いの見事なアクセントになっているのには、とても感心しました。

●2014年10月02日(木)


太鼓の柄の様子。片身替わりで仕立てられた大島紬と、染め帯がよく調和しています。