●2013年08月27日(火)
無地のようで無地でない 絵羽もの 『隠れ星』 仁平幸春作 画像の着物を見て少し違和感を覚えるかもしれません。 仮絵羽にするときに間違えたのでもありません。 意図的に下前の裾から衽(おくみ)にかけて柄を配置しました。 他に絵柄はありません。 つまり、正面やうしろから着姿を見ると無地の着物を着ているように見えますが、着手の右側に居る時、また着手の動作でチラリと柄が見えるように染めて貰いました。 題名の通り星をイメージした図案。 『二つの月』という新柄の帯に合う着物を染めようとして、こういうアイディアを思い浮かびました。月と星という安直な考えですが、すこしひねりました。 月の帯に用いる波地紋の生地と少し似ている白生地を選びましたので、紺無地の着物ですが斜め地紋が浮き上がりニュアンスもあります。 『二つの月帯』は計らずも違う着物とコーディネイトすることとなり、今はこの着物のみですが、ご覧のとおり色んな帯を受け入れてくれる着物です。この着物がどんな帯と取り合わせされることになるか、今から楽しみであります。
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