●2010年08月06日(金)
うすお召に紗の名古屋
炎天下の都会に送り出すのは、やはり申しわけない気がするが、着手ご本人は案外、汗はかかないのよと言われる。実際は汗と熱は籠るであろうが、夏着物は、心意気で着るものでこうした『意気地』が、本当に汗と暑さを感じさせない。 着物はもの凄く自立的な衣裳だから、暑さに関わる自律神経も自分でコントロール出来るのかもしれないなど、根拠のないことも想像できる。 こうした姿を、見せて頂けることの出来る我々日本人は、殆ど半裸のような夏姿の他に、ある意味真逆な着装をした姿に、涼を感じる感性を持ち合わせている。襦袢のない浴衣でさせ、中はもんもんと暑い。しかし日本人はそこに涼を感じる。季節を感じる。 自分はじっと耐えて、世間様に奉仕するような感覚が、夏の着物姿の一面である。
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