●2016年07月29日(金)
今年の夏、最後の夏物入荷!『妹尾紀子さんの夏帯』 それは濃い茶の夏帯でした。民芸運動家であり、染織作家である外村吉之介氏(とのむらきちのすけ)や、柳悦博氏に師事した妹尾紀子さんの作品です。本当にシンプルな市松文様、色目は、夏感覚に真反対の濃い茶なので一瞬躊躇しましたが、『暖色でもある濃い色を、真夏に着こなしてこそ、本当のお洒落者ではないか!』と思い直し頂きました。それに、、、茶のエッセンスは、日本人の色彩感覚の要ですし(と自分を奮い立たせまして)。 本当は濃い藍などの夏着物に合わせてみたかったのですが、あいにく手持ちがなく、経緯(たてよこ)生絹(すずし)の縞の着物を合わせています。この糸の組み立ての着物ですと、盛夏に成る前と9月になった瞬間の感じの装いでしょうか?とてもとても軽い帯です。 『おやじは目をかけていたみたいだよ!』とお話を聞くと、初めて拝見する妹尾紀子さんの作品に、いろいろと思いを馳せてしまいます。
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