●2015年06月16日(火)
染織家 川村 成(かわむら じょう)さんの着尺no.2が入荷しました。 先月の国展で新人賞を獲得した成くん。 とにかく力強い織味と、色使いは他の染織作家には無い魅力を感じるのですが、なか志まやでは、その溢れる色を極力セーブして貰い、着尺を作って頂きました。 綾織りの着尺無地です。無地と言いましても、そこは成くん。 彼らしい隠し味が布に景色をつくり、色合いは極僅かな茶味を隠し持ち、生地は実にしっかりとした打ち込み。 少々ハードな着こなしをされても、末永く愛用して頂ける着物になるでしょう。
織って頂く前に、なんども話をしたことの一つに『ギャラリー空間、そのものになるような着物。どんな画(つまりは帯)を展示しても、すんなりと受け入れてしまう着物』ということがありました。織無地の着物が存在する、大きな理由がここにあると思うからです。 仕立ては通常の袷仕立ては勿論ですが、単衣仕立てもお薦めできます。やはり、普通の単衣仕立てではなく、航空絹布を表生地に合わせて染めて、手揉みし、水洗い出来る総居敷当仕立て(一衣舎製)が良いでしょう。春単衣の前半 秋単衣から秋冬春の袷と長く着用もして頂けます。 成くんの作品は、仕立・一衣舎さんの個展にこれまでも、幾度も出品されていて、木村先生から生地の強度について、かなり指導も受けられているので、安心してご愛用して頂けるはずです。 さてさて、どんな帯を取り合わせしようか、今から楽しみにしています。下の画像の帯は成くんの新人賞の帯。 これももちろん良いでしょう。僕なら、名古屋、袋帯のどちらでも、また箔をつかった帯まで、様々な取り合せをしてみようと考えています。
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