●2011年05月15日(日)
変質
着物を撮影する場合、ある程度、平面を意識して整然とした部分を残して質感を伝えようとする場合が多いが、この布は無造作というより、寧ろ『くしゃ』と握りたくなる。布は着尺という言葉を越えた質感を得ている。帯は織り上げられた後に砧打と水通し天日干しを経たもの。荒々しい作業のあとには、内に込めた光を持つような、とてつもなく繊細な織物となっている。両者の共通は変質していくこと、誰も触った事のないような布へと昇華している。 仁平幸春 作 ロウムラきもの 勝山健史 作 九寸名古屋帯
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