●2010年05月20日(木)
信楽へ MIHO MUSEUMに興味を持つようになったのは、『樋口可南子のきものまわり』という本の中で読んだ記事によるものと、最近の京都出張を車で行くようになり、近道と新名神の信楽インターを必ず通り過ぎるからだ。なか志まやのHPにも書いた事があるけれど甲賀、信楽の山峰にはどこか魅力を感じていたし、その自然の中に隠れるように存在するMIHO MUSEUMは是非とも訪れたい美術館だった。 樋口さんの本の中で見ていて特に気になったのが、現存する世界最大のガンダーラ仏像で黒無地の黄八丈を着た樋口さんの背丈とのバランスが面白くて、これは僕も実物を見たいと思っていた。右手首を失ったその仏像はやはり見応えがあった。この他にも、どうしてここにこれがあるの!と単純に感想を持つ程の 展示品がとてもセンスの感じられる空間の中に設えてあって、大理石の柔らかい色合いを基調とするこの美術館はその展示品ごとにテーマに沿って、美術品を魅せる空間の演出がとても素晴らしいと、唸ってしまった。 ほとんど予備知識も無いまま訪れた美術館への、ちょっとした違和感や疑問は展示品を見て行くに従って徐々に涌いて来る。確かにどれも素晴らしいものがある、しかし隠されてはいるけれどなんとなく感じてくるのである。この違和感の原因の元を、東京に戻って色々調べてやはりなと頷いてしまったけれど、それを差し引いてもここの常設の展示品は見応えがある。そして桃源郷と言われるその枝垂れ桜が咲く頃、また訪れてみたいと思う。
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