●2008年05月11日(日)
岡本太郎の『太陽の塔』 太陽の塔については、一言で言えない様々な思いがあり、また大人になってから知り得た様々な事実や考察、検証により、いっそう混沌として、こんな公の場で何かを簡単に記述することは出来そうにない。しかし、9日のブログに『明日の神話』の画像を上げたので、もしかして『太陽の塔』を知らない世代の方が当然いらっしゃるのではと思い、こういったふざけた画像ですが曝しておきます。 ときおり書いて来ました通り、昭和の時代、高度成長期に大阪で開催された万博のランドマーク的な巨大な建造物であります。それは未だに存在しています。 この巨像の中とその地下空間では、およそ外界の希望と明るさを謳ったパビリオンとは真逆な、『闇と渾沌』とした世界、一種サイケデリックな造形物が人々を驚かせました。この不気味な造形物を内包した太陽の塔の、真の存在意味をここで書くには、僕はまだあまりに稚拙すぎるのですが、おそらくは太郎の絵画や彫刻の随所にあけられた、あの『黒い穴』のごとく、万博のシンボルという、背負わされた命題を無化する『虚の穴』であったと推測します。 つまり『太陽の塔』は、それはたんなる塔でなく、腹の中に闇を抱え込んだ、『万博の穴』とも言うべきものだったのだと思えるのです。なんたる太郎の挑戦か! 『進歩と調和』を唱えた国家の祭典の中に堂々と仕掛けられた、『闇と渾沌』を隠し持ったのが、この風変わりな太陽の塔なのです。 追記:この金の顔、正面の顔、赤のライン、後ろ顔につきましても多くの興味深い ことがありますので、またいつかここに書いてみたいと思います。ひとまず、ダークサイドな私を腹に抱えた太陽の塔ということで、お目の汚しを。
|