『織りの着物で表す礼節』
勝山健史さんの帯を、2枚の織りの着物で装いに変化をつけた美しい着姿です。
<青い着物:志賀松和子作品>
<白鷹織風通崩綾織の着物>
染織家 志賀松和子さんが来場されるのに合わせ、彼女の織りの着物に、家紋(定紋は丸い違い鷹の羽)をアレンジした三つの刺繍紋付き織り着物と、勝山健史さんの帯の装い。程よいあらたまり感が、帯ともマッチしていますね。
紺の織の着物に、茶の織の帯、と言う色の取り合わせにも痺れますが、装いの最後の要は帯締。帯文様と組紐柄が礼節さを増幅させてます。どちらも茶味成分のある色のトーンで和の格式感を高めています。
前日の装いは、佐藤新一さんの白鷹織風通崩に勝山健史さんの帯。
この織りの着物によって、同じ帯を少し普段使いしています。帯締めは鎌倉組三井寺の茶色が、帯の茶味を拾い、この季節に合うように、帯揚げに少しだけ桜が覗いています。東京は桜が満開と聞きました。名古屋の街角には枝垂れ桜も目立つます。満開はほんの少しだけ先のようです。
織りの無地感の着物は、ここ20年近くの年月を経て、次第に認知され、光沢系の織物は準礼装の地位として装って頂く程に広まりましたが、様々な作家や産地によって、色々な織無地感の着物が作られて来る今でも、何度見ても、何年経っても、着手に愛用され続ける、着手の審美眼の進化に耐え得る織物は少ないと思います。